「また宿題を学校に忘れてきた」と聞いて、すぐ取りに行っていませんか?
実は、その対応が子どもの成長を妨げているかもしれません。現役教員の立場から、忘れ物が続く子への正しい関わり方をお伝えします。
小学校で25年間以上、担任として主に中・高学年の子どもたちと向き合ってきました。
「また宿題を学校に忘れてきた」——そう聞いて、すぐに学校へ取りに行く保護者の方がいます。気持ちはよくわかります。ただ、その対応が本当に子どものためになっているかどうか、少し立ち止まって考えてみてほしいと思います。
「取りに行く」で解決とは限らない
まず最初にお伝えしたいのは、学校へ宿題を取りに行き、家で宿題をさせればOKではない、ということです。
大切なのは、どれくらいの頻度で忘れているのか、そしてその子の学力や生活の状況はどうなのかという背景を知ることです。忘れた理由によって、対応はまったく変わってきます。
「忘れ物」には3つのパターンがある
たまに忘れる場合
これはただの不注意である場合がほとんどです。誰でも忘れることはあります。深刻に受け止める必要はないかもしれません。
頻繁に忘れる場合
頻度が高い場合は、忘れ物だけの問題ではない可能性があります。身の回りの整理整頓ができているか、何かをやっている途中で別のことに気を奪われていないか——そういった行動のパターンを記録してみてください。発達的な背景が関係していることもあり、その場合は専門機関に相談することも一つの選択肢だと思います。
意図して忘れてくる場合
実はこれが見落とされがちなパターンです。宿題のドリルやプリントが手元になければやらなくて済む——そう考えて、意図的に学校に置いてくる子がいます。その背景には、勉強が分からなくて苦痛という気持ちが隠れていることがあります。忘れ物が続くときは、子どもが学習でつまずいていないかを確認することも大切です。
親が先回りすると、失敗から学べなくなる
宿題を忘れてきたとき、「じゃあこれをやっておきなさい」「連絡帳に書いておくから明日先生に見せなさい」とすぐに対応してしまう親御さんがいます。
その気持ちはわかります。でも、この対応が続くと子どもは「失敗しても親が何とかしてくれる」と学んでしまいます。
中学年・高学年であれば、まず「どうすればいいと思う?」と本人に考えさせることが大切です。自分で失敗した責任は、自分で考えて取る。その経験の積み重ねが、子どもの自立につながっていくのではないかと思います。
失敗を「学びの入口」にする
宿題を忘れたことで、翌日先生にやっていないことを正直に伝えなければならない——そういう経験は、子どもにとって決して無駄ではありません。
失敗したときに親がすぐ助けてしまうと、その学びの機会が消えてしまいます。少し心を鬼にして、「どうするか自分で考えてみて」と一歩引いてみてください。
もちろん、子どもが本当に困っているときや、背景に別の問題がありそうなときは、一緒に考える姿勢も必要です。「すべて自分でやらせる」ではなく、「まず自分で考えさせてから、必要なら一緒に考える」というバランスが大切だと思っています。
そして、先生に伝えるときは「忘れました」だけで終わらせないことが大切です。「休み時間にやります」「代わりに○○をしてきました」——このように、忘れた事実だけでなく、どうするかまで自分の口で伝えられる子に育てることが、本当の意味での自立につながると思っています。報告で終わるのではなく、次の行動まで考える。その習慣が、将来大きな力になるはずです。
この記事はnoteにも掲載しています。
https://note.com/nifty_harte3077
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