毎年クラス替えの時期になると、「仲良しの子と同じクラスにしてほしい」「あの子とは離してほしい」という希望を学校に伝えるべきか迷う保護者の方は多いのではないでしょうか。
実際に希望を伝えたとき、先生はどう受け取っているのか。現役教員の立場から、正直にお伝えします。
小学校で25年間以上、担任として主に中・高学年の子どもたちと向き合ってきました。
毎年クラス替えの時期になると、保護者の方から「仲良しの子と同じクラスにしてほしい」「あの子と一緒のクラスにしないでほしい」という希望が寄せられることがあります。その希望を受け取るたびに、私たち教員がまず気になるのは「なぜそう思うのか」という理由です。
希望の裏にある「理由」が大事
「仲良しの子と一緒にしてほしい」という言葉には、大きく分けて2つのパターンがあります。
一つは、子どもが「○○ちゃんと一緒がいい」と言っているから、そのまま伝えているケース。もう一つは、何か具体的な心配があって、その子と一緒のクラスにしてほしいと思っているケースです。
この2つは、受け取り方がまったく違います。前者については、子どもの気持ちはわかりますが、全員の希望を聞いていてはクラス替えができません。後者については、その心配の中身をぜひ詳しく聞かせてほしいと思っています。
クラス替えは、こんな基準で決まっている
保護者の方があまりご存じないのは、クラス替えがかなり細かい基準で決められているということです。
主な観点を挙げると、男女の人数バランス・学力・運動面・人間関係・双子など兄弟姉妹をどうするか、などがあります。担任だけでなく、学年の先生、これまでその学年を担任した先生がいる場合は、その先生にも意見を聞いて、何度も話し合って決めています。
つまり、子どもたちのことを何も考えずに機械的に振り分けているわけではない、ということです。
人間関係の判断は、特に慎重に
人間関係については、とくに丁寧に考えます。
「この二人が一緒のクラスになると、お互いの良さが引き出される」と判断すれば、同じクラスにします。逆に、「一緒にいるとどちらにとってもマイナスの関係になりやすい」と判断すれば、離すこともあります。
これは決して「仲が悪いから」という単純な理由ではありません。子どもの成長にとって、どちらが良いかという視点で考えています。
希望を伝えるなら、個別懇談が一番
もし「本当に心配なことがあって、クラスのことを相談したい」という場合は、個別懇談の場を使っていただくのが一番だと思います。
そのとき、ぜひ理由を詳しく話してほしいのです。子どもは学校では上手くやっているように見えても、実は我慢していて、家では愚痴を言っているというケースもあります。そういった家庭でしか見えない情報は、先生には届かないことが多いです。
「こんなこと言っていいのかな」と遠慮せず、話してみてください。その情報がクラス替えの判断に活きることは十分あります。
どうしても合わない子と一緒になることもある
クラスの数は限られています。どれだけ丁寧に考えても、どうしても合わない子と同じクラスになってしまうことはあります。
以前、合わない担任との付き合い方についても書きましたが、自分と合わない人とどのように距離を取りながら付き合っていくかは、社会に出てからも必ず求められることです。完璧なクラス編成はありません。その中でどう折り合いをつけるか、それ自体が子どもにとって大切な学びになるのではないかと思っています。
子どもが家で話していることを、大切にしてほしい
学校と家庭では、同じ子どもでも見せる顔が違います。学校では友達と普通に接しているように見えても、帰宅してから「あの子と一緒はいやだ」と話している、ということは珍しくありません。
その言葉を「子どもが言っているから」と軽く流さずに受け取ってほしいと思います。心配なことがあれば、学校に伝える。それだけで、先生が気をつけて見ることができます。
クラス替えへの希望は、必ずしもそのまま叶えられるわけではありません。ただ、保護者の方が何を心配しているかを知ることは、先生にとってもとても大切な情報です。遠慮なく話しかけてもらえると、ありがたいと思っています。
この記事はnoteにも掲載しています。
https://note.com/nifty_harte3077
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