まなびばこや  学校・教育のヒント集

「高学年になってから子どもとギスギスしてきた」「担任に相談しにくい」そんな悩みを持つ保護者の方へ。現役小学校教員25年以上の経験から、現場目線の本音をお届けします。 https://school-tips.hatenablog.com/

子どもが「先生に怒られた」と言ってきたとき、鵜呑みにしてはいけない理由

「うちの子が先生に怒られた」と聞いたとき、すぐに学校へ連絡を入れようとした経験はありませんか?
子どもの言葉をそのまま受け取る前に、知っておいてほしいことがあります。現役教員の立場から、率直にお伝えします。

小学校で25年間以上、担任として主に中・高学年の子どもたちと向き合ってきました。

「今日、先生に怒られた」と子どもが帰ってきたとき、親としてどう受け取るでしょうか。「それは大変だったね」と子どもに寄り添う方もいれば、「どんな指導をされたんだろう」と心配になる方もいると思います。今回は、その場面について先生側の視点からお伝えしたいと思います。

親の情報源は、子どもだけ
まず前提として、保護者の方が子どもの話を信じるのは当然のことです。学校で何があったか、家庭に伝わる情報は子どもの言葉だけです。それを信じるのは親として自然なことですし、責める気持ちはまったくありません。

ただ、子どもは無意識に話を誇張したり、自分に都合よく伝えたりすることがあります。「怒られた」という言葉一つとっても、強く注意されたのか、全体に向けて言ったことが自分に刺さったのか、実際には様々なケースがあります。

なぜ子どもは家で不満を言うのか
子どもが帰宅して「先生に怒られた」と不満を漏らすとき、その背景には「指導を納得して受け入れられなかった」という気持ちがあることが多いと思っています。

だからこそ私は、子どもを指導するとき「腹に落ちる」まで丁寧に伝えることを大切にしています。何がよくなかったのか、どうすればよかったのかを一緒に考えさせる。子ども自身が「自分の何が悪かったか」を理解できれば、帰宅して親に話せば自分もまた叱られると気づくので、不満として話すことは少なくなるものです。

逆に言えば、子どもが家で不満を言っているときは、学校での指導が本人に届いていないサインかもしれません。

「叱る」と「怒る」は違う
ここで一つ、保護者の方にも知っておいてほしいことがあります。「叱る」と「怒る」は似ているようで、まったく違います。

叱るは、叱る側が冷静な状態で、相手の言動について落ち着いて指摘することです。怒るは、感情に任せた状態です。

子どもへの指導において使うべきは「叱る」であり、「怒る」ではありません。これは教師も保護者も同じです。感情的に怒られた子どもは、何がいけなかったのかよりも「怖かった」「理不尽だった」という気持ちが残ります。それが「先生に怒られた」という言葉になって帰ってくることもあります。

「100%」ではなく「そう言っているのですが」
保護者の方から学校に連絡をいただくとき、対応しやすいのは「子どもがこのように言っているのですが、実際はどうだったのでしょうか」という聞き方です。

一方、「どういう指導をされたのですか」と頭ごなしに言われると、先生側も身構えてしまいます。そうなると本当に大切な話し合いができなくなってしまいます。

子どもの話を信じつつも、「うちの子にも何か問題があったのかもしれない」という視点を少し残しておいていただけると、先生としてはとても話しやすくなります。

相談するときは「子どもがどうしたいか」を中心に
保護者の方から連絡をいただいたとき、私が必ず確認するのは「お子さん自身はどうしたいと思っているか」です。

保護者の方が我が子のために動いてくださる気持ちはよくわかります。ただ、主役はあくまで子どもです。「お家の方のお気持ちはいったん置いておいて、お子さんがどうしたいかを一緒に考えませんか」とお伝えするようにしています。

もちろん、私の指導の仕方が子どもに不快な思いをさせていたのであれば、そこはきちんと謝罪したうえで、です。

子どもの言葉を「入口」にしてほしい
「先生に怒られた」という子どもの言葉は、何かが起きたサインです。ただ、それをそのまま結論にするのではなく、「何があったのか、もう少し聞いてみよう」という入口にしていただけたらと思います。

「そのとき、あなたはどうしたかったの?」「先生に何か伝えたいことはある?」と子どもに聞いてみてください。子ども自身がどう感じているかが見えてくると、家庭と学校が一緒に考えるための土台ができます。

学校と保護者は、子どものために同じ方向を向きたいと思っています。そのためにも、まず子どもの気持ちを真ん中に置いた対話ができると、うれしいです。

この記事はnoteにも掲載しています。

https://note.com/nifty_harte3077

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